本文へ進む
がんばらない姿勢の整え方を、毎日の暮らしの中に。
ホーム › 座り方・立ち方・歩き方

デスクワークの疲れ対策|座り姿勢と今日からできる体の手入れ

公開: 2026-10-08 / 更新: 2026-10-08 ・ 読了 約5分

この記事の要点

  • 骨盤を立てて座面の奥まで座り、足裏を床につけるのが座り方の基本。
  • 画面の上端を目の高さに合わせ、60分に1回は小さな動きを入れる。
  • 背筋を過剰に反らせず、しびれや強い痛みがあるときは医療機関へ相談。

デスクワークによる疲れへの対策は、座っているときに「骨盤を立てて座面の奥まで腰掛けること」と「画面の上端を目の高さに合わせること」の2点から整えるのが基本です。長時間の作業では同じ姿勢が続くため、道具の配置を整えたうえで、作業の合間に小さな動きを取り入れて負担を逃がす習慣が役立ちます。

仕事が終わるころに首や肩が重たくなる、夕方になると腰が固まったように感じるという状態は、毎日の座り方や作業環境のちょっとしたずれが積み重なって起こるケースが少なくありません。この記事を読み終えたら、まずは作業用の椅子に座り直して、身の回りの配置を一つ見直してみてください。

デスクワークで疲れがたまりやすい体のしくみ

長時間のデスクワークでなぜ体が重たく感じるのかは、座っているときの姿勢と筋肉の働きを知ると理解しやすくなります。

頭の重さと首・肩への負担

人間の頭の重さは、体重のおおよそ10分の1(成人で4〜6kg程度)あるといわれています。背骨の上にまっすぐ頭が乗っていれば、骨が柱となって重さを支えられます。

しかし、パソコンの画面をのぞき込んで頭が前へ数センチ突き出ると、重力を支えるために首の後ろから肩、背中にかけての筋肉が常に引っ張り続けなければならなくなります。理科の「てこの原理」と同じで、支点から作用点が離れるほど、筋肉にかかる負担は大きくなります。

骨盤の傾きと腰まわりの固定

座っているとき、骨盤が後ろへ倒れる「後傾」の状態になると、背中が丸まり、いわゆる猫背になります。この姿勢は一見ラクに感じられますが、腰の骨(腰椎)の自然なカーブが失われ、腰まわりの靭帯や筋肉に持続的な張りが加わります。

さらに、太ももの裏やお尻の筋肉が座面で圧迫され続けるため、下半身を動かさない時間が長くなるほど腰の周りが固まりやすくなります。

作業環境の基本的な基準については、厚生労働省のガイドラインでもディスプレイの配置や椅子の調整、小休止の重要性が案内されています。

座っている場面で見直す3つの環境調整

まずは「座っているとき」の環境を整えます。今日からできる3つの見直しポイントです。

1. 骨盤を立てて座る椅子の使い方

浅く座って背もたれに寄りかかると、腰が丸まりやすくなります。次の手順で座り直してみましょう。

  1. 椅子の座面の奥深くまでお尻を入れる。
  2. 左右のお尻の底にある硬い骨(坐骨)に均等に体重が乗るように意識する。
  3. 足の裏全体が床にしっかり着く高さに椅子の座面を合わせる。

足が床に届かない場合は、太ももの裏が圧迫されて負担になるため、足置き(フットレスト)や厚めの本などを足元に敷いて高さを調整します。膝の角度がおおよそ90度から100度になるのが目安です。

2. モニターの高さと距離

画面が低すぎると、首が下を向いて頭の重さを支える負担が増えます。

ノートパソコンを使っている場合は、スタンドを使って画面を持ち上げ、外付けのキーボードを併用すると、首や背中の丸まりを抑えやすくなります。

3. キーボードと肘の角度

キーボードやマウスが体から遠い位置にあると、腕を前に伸ばし続けることになり、肩に余計な力が入ります。

肘の角度がおおよそ90度程度に保たれ、脇が軽く閉じた状態でキーボードに指が届く位置まで、机や椅子の前後位置を近づけましょう。机の上が散らかってキーボードを奥に押しやっている場合は、手前の作業スペースを確保することが大切です。

からだと食の学びは、ミレットスタイル公式サイトへ。栃木・矢板とオンラインの料理教室は、1Day体験も受け付けています。

ミレットスタイルを見る →

作業の合間にできる手入れの手順

道具を整えても、同じ姿勢を何時間も続けると筋肉が固まってきます。身体を一定の状態に固めず、小刻みに動かすことが大切にされています。

60分に1回、短時間の動きを取り入れましょう。ここでは座ったまま1〜2分でできる手順を2つ紹介します。

肩甲骨と胸をひらく運動(座ったまま)

巻き肩や丸まった背中をリセットする動作です。

  1. 背筋をすっと伸ばし、両手を肩の高さで前に伸ばして指を組みます。
  2. 息を吐きながら、組んだ手を前に押し出し、背中を丸めて肩甲骨の間を広げます(5秒キープ)。
  3. 息を吸いながら、今度は両手を背中の後ろに回して手を組み、胸を軽く斜め上へ向けます(5秒キープ)。
  4. これを2〜3回、無理のない範囲で繰り返します。

呼吸を止めずに、胸まわりが気持ちよく広がるのを感じながら行うのがポイントです。

骨盤の前後ゆらし(座ったまま)

固まりやすい腰とお尻のまわりを動かす動作です。

  1. 椅子に浅めに腰掛け、両手を太ももの上に置きます。
  2. おへそを覗き込むように背中を丸め、骨盤を後ろに倒します(3秒)。
  3. 続いて、おへそを前に突き出すようにして、骨盤をまっすぐ立てます(3秒)。
  4. この前後の動きを、呼吸に合わせて5回程度ゆっくり繰り返します。

腰に強い違和感が出ない範囲で、小さく滑らかに動かします。

よくある失敗例と見直しのヒント

デスクワークの対策を始めたものの、かえって体が疲れてしまうケースもあります。よく見られる失敗例を知っておくと、無理のない習慣作りに役立ちます。

失敗例1:背筋を無理に伸ばしすぎて腰を反らせてしまう

「良い姿勢を保とう」と意識するあまり、胸を極端に張り、腰を反らせてしまうケースがあります。腰を反らせすぎると、腰の骨や背筋に余計な緊張がかかり、数十分で疲れてしまいます。

「胸を張る」のではなく、「頭のてっぺんから一本の糸で真上に軽く引っ張られている」ようなイメージを持つと、無駄な力みが抜けやすくなります。

失敗例2:高価な椅子やクッションに頼り切って動かない

高性能なワークチェアやサポートクッションを導入しても、座ったまま2〜3時間一度も立ち上がらない生活を続けていると、身体の重さは変わりにくいものです。どんなに優れた椅子であっても、同じ姿勢を静止して続けること自体が身体への負担となります。

道具は補助として使いつつ、「トイレに立つ」「お茶を淹れる」「立ち上がって背伸びをする」といった小さな離席を1時間に1回程度挟む意識が欠かせません。

身体の不調が続くときの考え方

日々の手入れや姿勢の意識によってラクになる方もいますが、身体の状態には個人差があります。

もし手足にしびれがある、何もしなくてもズキズキと強く痛む、発熱をともなう、あるいは何週間も重い痛みが引かないといった場合は、ご自身で体操や調整を続ける前に、必ず整形外科などの医療機関を受診して身体の状態を確かめてもらってください。身体の手入れは、重大な怪我や病気がないことを前提とした日々の習慣です。

無理のない小さな工夫を一つずつ取り入れて、快適なデスクワーク環境を整えていきましょう。

よくある質問

Q. ノートパソコンで作業すると首が疲れるのはなぜですか?
A. 画面の位置が低いために視線が下がり、頭が前へ突き出る姿勢になりやすいためです。頭の重さ(4〜6kg程度)を支えるために首や背中の筋肉に継続的な負担がかかります。スタンドなどで画面の高さを目の位置まで持ち上げる工夫が役立ちます。
Q. デスクワーク中に良い姿勢をずっと保つコツはありますか?
A. 同じ姿勢を固めて保ち続けること自体が負担になるため、完璧な姿勢を静止して維持しようとしないことがコツです。骨盤を立てて座る基本を抑えつつ、60分に1回程度は立ち上がったり、骨盤や肩甲骨を軽く動かしたりして姿勢をリセットしましょう。
Q. 腰や肩の違和感に対して、セルフケアを行ってはいけないサインはありますか?
A. 手足にしびれがある場合や、安静にしていても激しく痛む場合、発熱を伴う場合などは自分で動かすのを控え、速やかに医療機関を受診してください。日々の手入れは強い症状がないときに行う習慣です。
この記事をシェア: X(Twitter) LINE

あわせて読みたい

からだと食の学びは、ミレットスタイル公式サイトへ。栃木・矢板とオンラインの料理教室は、1Day体験も受け付けています。

ミレットスタイルを見る →